最近の女性のメークにおける流行を見てみますと、やはりキーワードは「目力(めぢから)」ではないでしょうか。アイラインの入れ方やマスカラの大きさを見ても、しっかりと開いた目というものが求められているのです。また一方、最近の女子の「肉食化」と反比例するように、ファッションや文化はどんどんフェミニンな方向に動いています。「たれ目ばやり」もこうした動きに無関係ではないでしょう。そこで下眼瞼下制の出番というわけです。
下眼瞼下制が「たれ目」を創る治療だと申しましたが、その目的は表情に柔らかさ・優しさを与えることにあります。特に女性が自分の表情をソフトにしたいと願うところには、社会的にも女性が強さを増してきて、相対的に男性の「草食化」が加速しているということがあるのではないでしょうか。下眼瞼下制で印象を和らげたいというのは自然な流れなのかもしれませんね。
下眼瞼下制の他にも目元の治療は存在します。それは先にご紹介したとおりですが、基本的にその目的は「目力(めぢから)」を得ること、目をぱっちり大きくすることにあるわけです。ですが吊り目気味の目を単純に大きくすると、表情の「きつさ」はむしろ増大してしまうわけです。下眼瞼下制はこうした際に、むしろ複合的に施術することで大きな効果を得ることが可能となるのです。
下眼瞼下制はたいへんデリケートで微妙な変化を与える治療です。過剰に行ってしまうと表情はかえってだらしない印象となり、また逆さまつ毛などの副作用を伴ってしまいます。微妙なさじ加減でやんわりと印象を改善するのが下眼瞼下制の本領であり、醍醐味なのです。そういう意味でも、下眼瞼下制は上級者向けの治療であり、また腕のいいドクターであればこそ可能な治療でもあるわけです。
美容外科の世界では、特に我が国のドクターたちの間では、現代日本人の表情やプロポーションにおける黄金比というものが存在していて、この理想像に近づけるための治療というものが行われています。もちろんユーザーの希望が第一に採られるわけではありますが、あまりに黄金比からかけ離れた治療はどのドクターも推奨しません。術前のカウンセリングでそのあたりは徹底的に掘り下げられます。無論、下眼瞼下制の治療でも例外ではありません。また、そうした理想像も、日々刻々、時代と共に変化していくものなのです。